第４５話「マシンガン・アタック」・Ｂパートつづき 『大沼を追い出しただけでは問題は解決しない』 こずえは今になって自らの言葉を噛みしめていた。 大沼を頂点とする絶対的な権力システムが骨の髄まで染み付いている２年生たちにとって上級生は神、下級生…

泣いてんじゃねーよ！ 『だけど、涙がでちゃう。女の子だもン。』 鮎原こずえといえば涙。じっさい、これだけよく泣くキャラは珍しい。 こずえは決して弱い泣き虫ではない。 が、如何せん感情の揺り幅がデカすぎるのと、あの巨大な目玉がいけない。 星がいっ…

バレー部の２年生は陰が薄い。レギュラーと呼べるのはゼッケン４番の武市香代子だけで、その武市でさえ後半は猪股（デコ）にしばしばその座を脅かされる。５番の石川一美に至っては、石松の入部で完全にレギュラーを追われてしまった。武市と共にクーデター…

全ての人の人生にはいくつかの門を通り抜ける瞬間（とき）がある。 ただ1度しか通ることの許されない青春という名の門。 今、その青春の門をくぐり抜けた一人の少女が、眼前にそびえ立つ新たなる人生の門を見上げ佇んでいた。 柏木敬子は母譲りの美人である…