大好き!垣之内さん  マル秘・いじわる大研究!!

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こずえ:「試合中、あの垣之内良子の視線がずっと私の体にまとわりついていたかと思うと、ううっ、気味が悪いわ」
みどり:「そう。いやらしい目で私たちを・・!」   第13話・『作戦なき作戦』




・・・・・み、みんな大好き垣之内さん。

垣之内良子といえば歴代ライバル中1、2位を争う人気キャラだ。
性格もこずえに負けないくらい熱血で、気性は荒いが裏表のないカラっとしたスポーツマンらしい好人物。
その颯爽としたルックスと独特の博多弁(?)にシビれたという人も多いだろう。
第73話で登場した垣之内のキャッチフレーズは『九州のハヤブサ
いいよねえ。
今風ライバルキャラに必須となってしまった胸糞悪い変態ナルシストのカッコつけクールとか、痛いオレサマ天才万能主義とかが全く無いというのも素敵だ。中学編では最強のライバル、世界ジュニア選手権編では頼りになる盟友として大活躍し、男女ともにファンのハートをガッチリ掴んだ。


そして垣之内といえば回転レシーブと変化球スパイクだ。
この二つの必殺技は『アタック』では珍しく実在する技術である。
特に『回転レシーブ』は、東京オリンピックで金メダルの活躍をした『東洋の魔女』の代名詞でもあり、国民的な知名度があった。
派手で華やか、しかもその開発にまつわる当時の大松監督と日紡貝塚チームとの特訓物語はスポコン漫画そのものであった。この様子を描いた大松の自伝『おれについてこい!』はベストセラーとなりすぐに映画化(1965)もされ、『回転レシーブ』の名は伝説と化したのである。
もちろん子供はみんなマネをした。しかし固い床の上で思いっきり回転受身みたいな事をすれば打撲や摩擦火傷を負って泣くのが関の山で、あらためてその離れ業の凄さを思い知ったのであった。

この2大必殺技を持って中学時代のこずえとの勝負は一勝一敗。実力は全くギリギリの互角であった。
続く世界ジュニア戦では共に日本代表選手として出場。彼女の懐の深さや、鋭い観察眼、それにこずえにはない冷静な状況判断を下す頭のよさを披露してみせた。
本来トップに立つべきリーダー資質の人間であったが、こずえがキャプテンに選ばれた事で潔く2番手を受け入れ、以降チームのためにこずえの参謀役に徹しサポートしまくった。
と言って決して活躍が地味になったわけでなく、得点シーンはこずえに次いで多く、こずえとのコンビ攻撃も早川以上に息が合っていたことも。
高校に入ってからもこずえらとの友情は続き、また引き続き強力なライバルとして登場しつづけるなど、その存在感、キャラの魅力は絶大であった。
垣之内良子は、『アタック№1』を語る上で決して外せぬ名ライバルなのだ。




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だがこの垣之内、当初得体の知れない不気味な敵として現れた。
とにかく初期の垣之内は黒い。こうして比べて見ると一目瞭然である。
肌も黒いし、ユニフォームも黒。表情や性格までドス黒かった。


裏表のないカラっとした性格どころか、じつは人の心を巧みに弄ぶ心理戦のエキスパートである。
コートの外からねちねちと相手を追い込む陰湿な手口と垣之内のキャラは全くそぐわない感じがするが、これは事実である。
実際に垣之内があの手この手で心理戦を仕掛けてくる様子は第12話、13話で顕著に描かれている。
これらの回では信じられない事だが、ホラー風な演出まで試みられていた。
得意技の回転レシーブはともかく、試合前から心理戦で追い込む手口、不吉な黒づくめのユニフォーム。
道具立てがどう見てもさわやかではない。


初登場の第12話サブタイトルは『不気味な強敵』であった。


対戦した相手チームは、試合後ことごとく腑抜け状態となるか発狂(!)する。
解説者のおっさんも「負けたチームは一時的に精神に異常をきたし・・云々」とのたまうのだ。
明宝の吉村さとみも試合後錯乱して昏倒。
「もう嫌・・・もうバレーなんか辞める・・」とうわ言を口にする。
おっとり型でトボけた性格の吉村が、ウンウンうなされるというのは余程の事かと思われる。
このように福岡中と対戦した相手チームは、まるで呪いがかかったように勝手に自滅していくのであった。
ちなみに原作ではこのような設定は微塵もない。アニメ独自のものである。

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試合前のコートでの練習中、こずえの頭にボールをぶつける。「ぎゃふん」て感じ。
『あ~ら当たったとね?ボサーっとしとっからよ!』
平静心を奪い、揺さぶりをかける戦術。
「いけない、その手に乗っては・・・」と警戒するこずえだったが、すでに垣之内の禍々しい術中にはまりつつあった。

試合開始。両者エンドラインに立ちお互い向き合って整列する。
めらめらと闘志を燃やし睨み付けるこずえに対し、垣之内はギッと歯を剥いて威嚇する気味の悪い仕草をみせる。

そしてサーブ権を決めるジャンケン。
だが垣之内は不動の姿勢のまま拳を出そうともしない。2度もシカトされ怒髪天を突いたこずえが食ってかかると、
『やってん、どうせウチの勝ちたい。』
そして予言どおりこずえは負ける。
実際は垣之内のおそ出しなのだが、非常にわかりにくい。
見ている方も、垣之内に何か得体の知れない力が備わっているかのような不安にかられる。

すっかり垣之内の神経戦に呑まれてしまったこずえ以下富士見中チーム。
その上垣之内の回転レシーブの前に繰り出す攻撃はすべて潰され、絶望的な士気喪失状態に陥る。
そのまま大差で第一セットを奪われ、第二セット開始。

その時、場内アナウンスでキャプテン吉村以下選手の負傷で
明宝中学の三位決定戦棄権が告げられる。

垣之内:「ウチは知らんよ・・それに負傷いうても精神的なもんじゃろ。」

こずえ:「精神的?一体どういう意味よ?!」

「勝手に気ば狂ったとよ・・・あんたたちもそうならんよう、気いつけんしゃいよ。ウフッウフッウフッ。」

「き・・・気が狂う~!?」

ネットを挟んでこずえと垣之内の会話である。
今じゃとても放送できない音声だ・・・あわわ・・・
これが後半、あれだけの好人物になるのだから、なかなか一筋縄ではいかないキャラであった。
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一筋縄ではいかないと言えば。

よっく見ているとファンも意外と見落としているというか忘れている重大な事実がある。
とかく暴力シーンの多い「アタック」本編。
その中で熱血キャラの代表のように思われている垣之内の暴行シーンというのは、実は一つもないのだ。(原作では原さんを引っ叩いてメガネを飛ばすシーンがあった。)
根性の腐った奴、ひねくれた分からず屋の目を醒まさせるにはビンタ一発!が常識のスポ根で、これは異例中の異例だ。 
特に以下の4人。こいつらに対してはぶっとばしても当然のシチュエーションがあったにもかかわらず、彼女は不可解にもなぜか手をあげる事はなかったのである。

白河・・・韓国との親善試合の練習中、いきなり殴りかかってきた。(62話)

秋月、飛垣・・・同・やる気のないダラけた練習態度、人を馬鹿にした挑発的でふざけた言動、身勝手な打算による戦闘放棄。さらにいずれも垣之内の眼前で、秋月は危篤の母親を気遣う八木沢姉妹に対し暴言を吐き、飛垣はデータ採取のため山本を見殺しにするなどした。(62,63話)

三条・・・宮崎合宿でのチームワークを無視した悪意ある不埒な振る舞い、あまりに人の道を外れた非道すぎる暴言等多数。(27~34話)
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神聖なるバレーコートにおいて、チームを顧みない我が儘で身勝手な言動、ふてくされた態度で勝負を投げるなど、熱き魂をもった垣之内にすればどれも許し難い行為であるはずだ。ビンタどころか、ボコボコの半殺しの目に遭わせてもおかしくない。

しかも第62話で白河に掴みかかられた時などまるで無抵抗だったのである。
これがもしケンカ上等のこずえや三条だったら、すかさず投げ飛ばすなりカウンターを喰らわすなどしてノックアウトしていただろう。
じっさい、その62話の問題のシーンで助けに入った三条が一発で白河をぶっ飛ばしたのは凄かった。

見落としがちだが、白河は単体で見ると結構いいガタイをしている。
小粒な印象があるが、それは巨女の山本といつも一緒にいるので小さく見えるだけ、という実はとんでもない錯覚。
実際の白河はタッパもあり腕や首も太いガチガチのマッチョ、八木沢香や大沼にもひけをとらぬ堂々たる体格のヘビー級選手だ。
その白河を文字通り一撃のもとに吹っ飛ばした三条の腕っ節の強さ、これは疑いもなくガチであろう。
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青葉チームは山本以外の平均身長もデカい。

一方、その時われらが垣之内はどうしていたかといえば・・・突っ立ったままであった。
どころか、口を開けて呆然としていたようにも見える。
間近に見た白河が予想外にゴツかったのでビビったのか?
あるいは目の前で起こった突然のバイオレンスに思考停止してしまったのか?

直前には東南の副将・秋月に対して2度怒りを爆発させるシーンがあったが、いずれも口だけだった。
さらに悪党時代の三条に対しては、その暴言に怒って食ってかかったものの、
『あんたはだまって!』
と一喝され、あっけなく引っ込んでしまった一件(32話)もある。
ここまで非暴力だと、アニメの垣之内は実はケンカが弱いのではないか?と疑いたくなる。

じつは垣之内は気は荒っぽいが、いざ実戦になると『口だけ番長』で、マジで殴り合いになったらとんでもない醜態を見せていたのかもしれない。







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『あぶなかー!』


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『どぉあー!』


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『なんとぉーっ!!』

あ、あぶなかー!もうちょっとでパンツ見えるとこでした!! 
ご存知、シミーズ丸出し路上回転レシーブの名シーン。なんかよく分からん回転だったが、とにかく凄い。



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むおっ。これが垣之内の彼氏か!
柔道部とかの主将だろうか?豪快な垣之内にふさわしい、バンカラでスケールのデッカイよか男と見た。その年季の入った仲睦ましさを感じさせる様子から、幼馴染から発展、と考えるのが妥当と思われる。
美人で気の強いしっかり者の女房に頭が上がらない亭主、当然のごとく未来は尻に敷かれている彼の姿が目に浮かぶようである。

結果的にバレー選手としては高校レベルが限度だった垣之内。
しかし平凡な道を進んだ後は子供をボコボコ産んで今頃は早孫もでき、若い元気なおばあちゃんとして幸せに暮らしている事と思う。

バレーの神により、修羅の道を歩む宿命を背負ったこずえと違って・・・・









ところで垣之内のヘアスタイルってこの人に似てない?
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